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【トレンド徹底活用術 vol.25】勤労感謝の日編:「画像素材」と「ペルソナ」がポイント!

新商品や新企画の一次情報となるプレスリリース。プロダクトにかけた想いは、できる限り多くの人に届けたいものです。

自社の情報の内容そのものは変えられなくても、季節のトレンドを関連させたり、切り口を変えるなど伝え方を工夫することで、情報に付加価値を与えることができます。注目度が上がれば、メディアに取り上げられて生活者に届く可能性も高まるでしょう。

そこで「トレンド徹底活用術」では、PR TIMES MAGAZINE編集部が、トレンドキーワードをプレスリリースへ落とし込む方法を考察します。

この記事では「勤労感謝の日」をピックアップ。特に重要なSTEPとポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

勤労感謝の日をプレスリリースに活用するSTEP

11月23日は勤労感謝の日。文字通り、日々働いている人たちに感謝を伝える日ですが、企業としてこのトレンドを活用するにはどのような情報発信をするのが効果的なのでしょうか。

多くの国民が働いているため、さまざまな業界にとってチャレンジしやすいテーマである一方、プレスリリースに落とし込むことは容易ではありません。そこで「勤労感謝の日」を活用したプレスリリースの作成について解説します。

基本となる8ステップは以下です。

トレンド活用術8ステップ

基本となる8STEPについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、ご確認ください。

画像素材にこだわる

画像にこだわるうえで重要な点は、次の2点です。ペルソナ像に沿って、贈呈や使用のイメージが湧くような画像を活用すること、そして、メディアも使用することを意識した素材づくりです。

1.イメージが膨らむような画像

画像は文字では伝えきれない魅力を伝える手段でもあります。商品だけを写した画像だけでなく、その商品を使用している「シーン」の画像も用意しておくとよいでしょう。画像をとおして「その商品によってどんな体験ができるのか」「どんな使い方が便利なのか」を伝えることで、読み手は使用イメージをより具体的に想起できるようになります。

広報PR担当者自身が画像を用意するケースでは、企業・団体の情報として発信することを念頭に置き、質を考慮した画像を準備する必要があります。カメラマン直伝!広報担当者が知っておきたいカメラ・写真撮影の基礎知識もぜひ参考にしてみてください。

2.メディアが使いやすい画像

前項のように、生活者のイメージを喚起する写真は重要な一方で、その画像がメディアにとっても活用しやすいかは別物です。メディアによってマッチする画像は異なっていたり、掲載できる画像の基準が決まっていたりします。そのため画像は種類豊富に用意しておきましょう。

<用意できるといい画像種類の一例>

  • 世界観を作り込んだ華やかな画像
     ・商品のイメージカラーを背景にした画像
     ・ロケーション撮影で商品イメージを全体に投影させた画像
     ・設定したペルソナと親和性の高い小物を添えた商品の画像
  • 商品が見やすいよう単色背景の商品単体の画像
  • 同一シリーズで展開した類似商品も並べた画像
  • 商品開発に携わった人の画像
  • 購入・利用者の画像

<魅力的な画像など多種の画像を用いたプレスリリース例>

【ホテルメトロポリタン長野】中国料理「皇華」にて11月23日勤労感謝の日にオーダーバイキングを開催

上記の例以外でも、パッケージ有り・無しの画像も用意しておくと商品の外観や内容がよりわかりやすくなるためメディアは活用しやすいでしょう。

プレスリリースに使用する画像の作成方法は【プレスリリース用の画像編集】メディア掲載にも対応できる画像を作る4つのテクニックで紹介しています。また、プレスリリースのメインとなる画像を選定するときのポイントについては、以下の記事を参考にしてみてください。

https://prtimes.jp/magazine/prtimes-main-picture-tips/

なお、PR TIMESでプレスリリースを配信する場合、本文に掲載しない画像もアップロードすることができます。豊富に用意した素材はなるべく多くアップロードすることをおすすめします。

情報収集して傾向をチェック

現在の市場では「勤労感謝の日」がどのように捉えられてるのか調べてみることも大切です。Googleトレンドで「勤労感謝」の検索数を調べてみると、2022年の検索数は2020年と2021年に比べて倍以上になっていることがわかります。

世間の注目度が上昇していることから、勤労感謝の日に絡めた効果的な広報PR活動が期待できます。検索数が例年よりも増えている背景にはどのようなことが考えられるのかを挙げてみましょう。

例えば、ここ数年における不安な日々を経験し、働くことの大切さを考える人が増えたのかもしれません。あるいは、仕事量が減ってしまったときにサポートしてくれた人に感謝する人が増えたことも考えられます。

こちらのプレスリリース「ランスタッド、勤労感謝の日に着目して派遣スタッフのES向上を推進-ランスタッド勤労感謝Weekキャンペーンを実施-11月14日(月)~23日(水・祝)22日は派遣スタッフ向けのイベント開催も」では、近年の社会動向に触れつつ、「どのような仕事も多くの人に支えられている」というCEOの想いを記載。その想いをもとに勤労感謝の日をきっかけにした取り組みを発表しています。

世の中の人がどのようなことを考えているのか、どのような行動を望んでいるのかを想像し、どのようにプロダクトを打ち出すのかを考えることも大切です。

ペルソナをイメージ

多くの人が勤労に従事していることからアプローチ対象が広くなり、情報を届けたい生活者の顔も曖昧になりやすくなります。このような時こそ、ペルソナ像を意識することが重要です。

ペルソナは、プロダクトやサービスの企画・開発の段階である程度決まっていることも多いので企画・開発に携わった他部署とも擦り合わせつつ、情報発信のタイミングでも改めて確認しておきましょう。

<ペルソナごとの提案例>

  • 仕事で日々の疲れが溜まっている共働き夫婦
    →お取り寄せグルメや旅行など、贈る側も一緒に楽しめて癒されるような商品を提案
  • 家事や子育てで日々の疲れが溜まっている専業主婦(夫)
    →家事代行サービスやフードデリバリーサービス、リラクゼーションサービスなど、日々の家事・子育てから離れてリラックスできる1日を提案
  • 部下たちの仕事を社内でねぎらう上司
    →個包装のお菓子を、thanksカードや感謝の一言とともに渡すことを提案
  • 長年にわたって仕事や家事を頑張ってくれた両親
    →旅行やレストランなどで使えるギフト券や、カタログギフト、自宅で使用できるリラクゼーショングッズなどを提案

提案の内容や切り口、言葉選びは、商品やサービスのペルソナ像によって、些細ではあるものの変化を伴うものです。

プレスリリースは、本来メディアに向けたものですが、近年では生活者が直接目にすることも増えています。そのため、届けたい人の心にまで届けるためには、しっかりとペルソナを意識し、表現の細部までこだわる必要性が増しています。

由来や調べる

勤労感謝の日の由来や、現代における意味合いを知ることで、具体的な広報PR施策を企画できることもあります。

由来を知る意味

令和になってからは、一年で最後の祝日となっている勤労感謝の日。勤労に感謝する日ということは想像がつくものの、そもそもどのような背景で制定された祝日なのか、その意味や由来までを正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。

祝日には制定前からの歴史的な文脈があったり、意外な意義が定められていたりと、調べることで新たな側面を知ることも多いものです。

地道なリサーチではありますが、本来の意味や由来、新たな側面を見出すことは、トレンドを活用した情報を発信するうえで、土台となる基礎知識となります。

勤労感謝の日の由来

勤労感謝の日は、その意義を「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことだと法律で定められています。「生産を祝い」との表現からも分かるように、収穫を祝う日でもあり、その起源は弥生時代だという説もあります。

古くから、天皇陛下がすべての神々に新穀をお供えし陛下ご自身も食すことで、稲の収穫を祝い、豊穣を祈る行事「新嘗祭」が行われていました。日付は、それまで旧暦11月の中旬としていましたが、明治時代からは11月23日が新嘗祭として定められ、戦後は同日が勤労感謝の日となり、今日まで引き継がれています。

食に感謝し祈りをささげる日であることを考えると、他国の(収穫)感謝祭であるサンクスギビングと共通する点もあるかもしれません。このような点は、「勤労感謝の日」という言葉だけでは想像がつきにくいのではないでしょうか。

同日のその他の記念日

11月23日は、勤労感謝の日にちなんだ記念日がほかにもいくつかあります。

例えば、「ねぎらいの日」は、深谷ねぎで有名な深谷市が制定した記念日で、「ねぎ」と「ねぎらい」を掛けて、大切な人や頑張っている人に深谷ねぎを贈るキャンペーンを行っています。勤労感謝の日が、ねぎが旬を迎える11月下旬にある点でもマッチしています。

また、お米の通販・販売会社が、感謝の気持ちを”コメて”お米を贈る風習を根付かせようと定めた「コメニケーションの日」や、新嘗祭で珍味も供えられていたということと11.23で「いいつまみ」との語呂合わせから食物の恵みに感謝し消費者に感謝しようと定められた「珍味の日」などもあります。

ほかにもさまざまな企業・団体が、この日を記念日としているので、調べてみると参考になる情報もあるはずです。

このように、由来や意味、関連する情報を調べてみることで、プレスリリースに活かせる新たな発見を得ることも少なくありません。情報収集は早めのタイミングで積極的に行いましょう。

参考:国民の祝日について(内閣府)
   一般社団法人 日本記念日協会

調べた情報を箇条書きで整理

商品やサービスには、さまざまなアピールポイントがありますが、どのポイントを主にアピールするのか、これまでに調べた情報や設定したペルソナ像も踏まえて整理します。

例えば「勤労感謝の日」専用で企画したプロダクトの場合はアピールポイントは明確です。しかし、記念日以外でも展開するプロダクトの場合は、なぜこの記念日におすすめなのか、説得力を持たせて伝えることが大切です。複数あるポイントのなかから知り得た情報と関連付けて落とし込めるポイントはどこか、箇条書きにするなどして整理していきましょう。

<例>

栄養満点なレトルト食品の場合

  • 調査の結果、成人の単身者は勤労感謝の日を意識していない傾向にある
    →手軽に作れて栄養満点な料理で自身も労おう

20代をターゲットとしたプロダクトの場合

  • 「勤労感謝の日」は両親や目上の人に感謝する日と認識している傾向が強い
    →国民たがいに感謝する日だから身近な同僚や新たに入社したフレッシュマンにもギフトを贈ろう

アピールポイントに活用できそうな情報は、インターネット検索やSNS、調査リリースなど多方面から集めることが大切です。

また、新たな切り口を探す際は、無理やり関連付けていないかも注意。社内外の第三者にも目を通してもらい、違和感がないか、納得感があるかを確認してもらいましょう。

細かな配信設定を活用してプレスリリースを配信

自社の情報が勤労感謝の日に関連しているものだとわかりやすく示すことで、メディアに見つけられやすくなるだけでなく、主体的に情報を探す生活者にも届けやすくなります。

PR TIMESから配信する場合は、「勤労感謝の日」はもちろんのこと、「感謝」「ありがとう」や「ギフト」「プレゼント」など関連するキーワードも盛り込みましょう。最大10個のキーワードを設定することができます。

キーワードの設定方法や選定のポイントについては、以下の記事を参考にしてみてください。

また、プレスリリースで発表する商品やサービスなどに関する特設サイトや参考資料などがある場合はプレスリリース配信設定画面の一番下(キーワード設定の直後)に「関連URL」を記載しておくことをおすすめします。プレスリリースだけでは伝えきれなかったより詳しい情報を届けることができるでしょう。

さらに位置情報の設定も忘れてはいけません。特に、地域性の高いギフトショップや飲食店は地元メディアに見つけてもらいやすくなるなど大きな効果が期待できます。

ターゲットが広いからこそ具体的なイメージを

勤労感謝の日は、生産物や労働者に感謝する日なので、多くの人が対象となる日です。同時に、それぞれの生活者によって感謝の伝え方や伝える相手は異なります。

自社のプロダクトが、誰にどのような「感謝」を提供できるのか。さまざまな手法で情報を収集して、伝えたいポイントを整理してみてください。

具体的なイメージを抱けるプレスリリースは、多くの人の心を揺さぶるはずです。訴求力を高めた情報発信を意識してみましょう。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

勤労感謝の日のプレスリリースの書き方に関するQ&A

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この記事のライター

小泉 玲雄

小泉 玲雄

2021年に学生インターンとしてPR TIMES入社。趣味で行っていたアプリ開発を通して、PRの重要性と奥深さを痛感。入社後は、多くの方に効果的な情報発信をしていただけるように、Webセミナーの設計をしたり、記事の執筆をしたりしています。お笑いが好きすぎて、大学では言語学の観点からコントの研究をしています。

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