「お取り寄せ文化の創成期」からスタートし20周年。“お取り寄せ”から食卓を豊かに、そして地域の活性化に貢献し続ける想い

周年

2023年11月20日 12時40分アイランド株式会社

弊社（アイランド株式会社）が、全国の美味しいお取り寄せ品を紹介する「おとりよせネット」を立ち上げたのが2003年。「お取り寄せ」という言葉がまだ世の中に浸透していなかった時代にサービスをスタートし2023年11月20日で設立20年となります。

立ち上げた当初から、「日本の美味しい品を、たくさんの方に知って欲しい」「インターネット通販で美味しいものが手軽に手に入ることを知って欲しい」という願いで運営を行ってきた結果、「お取り寄せ文化の立役者」と評価していただけるようにもなってきました。

今回は創業当時からの想いや現在挑戦中の事業について、おとりよせネットのファウンダーでありアイランド株式会社代表取締役社長の粟飯原とプロデューサーの笹田からお話します。

「ケーキがつぶれて届く」オンラインショッピング黎明期に立ち上げ

--2003年「おとりよせネット」創業当時はネットで食品を買うこと自体が浸透していない時代。オンラインショッピング黎明期に立ち上げたのにはきっかけがありました。

（アイランド株式会社代表取締役社長　粟飯原）

粟飯原：2001年リクルート社に勤めていた当時から美味しいものが大好きで、OL時代にはレストランの食べ歩きのメールマガジンを趣味で発行していました。そのメールマガジンの読者さんとのやりとりのなかで、「手土産」や「お取り寄せ」の情報が人気がありました。また、新卒で勤めたNTTコミュニケーションズでまだ当時は黎明期だったオンラインショッピングのシステム開発の業務に携わっていたことや、自身でも生活者の視点からオンラインショッピングを考える女性コミュニティを運営していた経験から、業界が伸びていくことも肌感として実感していました。

「これからネットで皆が買い物を楽しむ時代になれば、食品ECも盛り上がるはず」「なかなかすぐにはいけない地方の生産者さんや作り手さんから、こだわりの品が直接届く”お取り寄せ”には特別なわくわく感があり、女性たちにはきっと支持されるのでは」という想いで当時勤めていたリクルート社を辞め、「おとりよせネット」を立ち上げました。

（2003年11月20日サイトオープン時のおとりよせネット）

商品を販売せず「紹介」に特化しオンリーワンの立ち位置に

粟飯原：おとりよせネットは、”お取り寄せの情報サイト”として、「美味しいものをネットで販売したい作り手・売り手（食品EC事業者）」と「美味しいものに興味がある食べ手（消費者・ユーザー）」とを繋ぐサービスです。実際にサイトでは商品を販売しておらず、商品を紹介するいわゆるメディアとして運営しています。ユーザーの方々はショップの独自ドメイン（あるいは楽天やアマゾンなどショッピングモール内の自店サイト）へアクセスし、そこで購入する形です。

EC市場の主な事業プレイヤーとなる「モール事業者」「店舗事業者」のいずれにも属さず、「メディア事業者」という希少なポジショニングです。

粟飯原：立ち上げた当初からのコンセプトとして、ユーザーさんに対しては、「ネット上でさまざまな地域の美味しいものを知って何を買うかを迷う楽しみ」「注文してから届くまでからすでに待ち遠しい気持ち」、届いてからは自宅でこれまで知らなかった美味しいものを家族や大切な人たちと味わえる「”お取り寄せ”を通じたわくわく感」感じていただきたいと願ってきました。

そして、食品EC事業者さんに対しては、地域で愛情を込めて作った良い品があるにも関わらず、「それを求めている人にその情報が伝わらず、地域経済が存続できない」という課題があります。その課題を解決するプラットフォームとして、サイトのメイン機能である「モニター審査員」を通じて食品EC事業者さんの販促支援、消費者の商品に対する声のフィードバックにより良質な商品生産に繋がる仕組みを提供しています。食品EC事業者さんからは「年々売り上げを伸ばすことに成功」「他の媒体と違いコンテンツ価値・信頼が高い」などのうれしい声をいただいています。

（参考）おとりよせネット　掲載ショップからの声

https://www.otoriyose.net/shop/voice/

“本当におすすめできる”“選りすぐりの逸品”に出会える4つの特徴

（おとりよせネットプロデューサー笹田）

笹田：サービスの特徴としては4つあります。

【1つ目】食べることが大好きな方々に「モニター審査員」として、おとりよせネットに会員登録いただき、お取り寄せ品を実際に試食いただいて口コミを投稿していただく「モニター審査員」制度。

【2つ目】スイーツジャーナリストやフードライターといった食のプロの方々に「お取り寄せの達人」として、本当におすすめする商品をご紹介いただく記事コンテンツ。

【3つ目】ジャンル、ギフトシーン別などから人気商品がひと目でわかる「ランキング」。

【4つ目】母の日やバレンタインなどシーズンごとに旬の逸品をまとめた「特集」。

食べ手の素直な感想をそのまま掲載することで情報の客観性や信頼を得てきました。現在では生鮮品から加工食品、スイーツまで約7800品以上を掲載、口コミ数は24,000以上、年間で約600万人に利用いただいています（2023年10月現在）。

「お取り寄せの情報サイト」として独自企画の強み

‐‐おとりよせネットが他のサイトと大きく異なるのが、メディアとしてのウェブサービス以外に、長年にわたるアワード企画や出版活動、テレビや雑誌といったメディアへの情報提供などを行っていることです。

2021年の15回目のベストお取り寄せ大賞発表時には、「ベストお取り寄せ大賞（玄光社）」という15年分の受賞商品をまとめたムックを出版させていただいたり、2022年末にはBSフジにて2時間の特番を放送していただきました。

こうした活動を通じ、ネットだけではなくさまざまな方法で、美味しいお取り寄せ品のことや、それを作っている生産者さんのことを広く伝えて行ければと日々思っています。

コロナ禍を経ての挑戦「SNSを通じた多角的な展開」「お取り寄せ×越境ECプロジェクト」

‐‐現在の食品通販市場は4兆円超規模に伸長し、その需要は年々高まっています。消費者のマインドやリテラシーも向上していくなかで、「お取り寄せ」の可能性を広げていくために様々なプラットフォームでの発信や海外販売のための販促支援に挑戦しています。

笹田：コロナ禍を経て、SNSやYouTubeを通じ、消費者とメディアとの距離は一気に縮まりました。おとりよせネットでも、さまざまなSNSを運営しており、Instagramでは3万人、YouTubeでは1万人の方々にフォローしていただいています（2023年10月現在）。中でも「おとりよせネット公式アンバサダー」として、お取り寄せが大好きで、食に対する感度の高いインスタグラマーのみなさんと一緒に、全国各地のグルメやスイーツの魅力を発信しています。「モニター審査」だけでは伝えきれない、美味しいもの好きなみなさんの生の声を、リアルな写真や映像で伝えています。また生産者さんやそれを販売する食品EC事業者さんが運営するSNSとも連携し、そういった方々との距離も縮めていければと考えています。

いいものを作っていても、そこにファンがしっかりとついていないと、続けることができません。ただ安いだけ、ただ美味しいだけ、ではファンはつきにくく、長く続けることは難しいです。「推し」という言葉が広く使われるようになったように、ショップにも「推し」になっていただけるような、おとりよせネットができることがまだまだあるのではと感じています。

粟飯原：これまで日本国内での事業展開を主としてきましたが、今後は海外と日本を繋ぐ事業を行っていくのが目標です。

日本の食への関心、信頼は海外で大きく高まっており、コロナ禍を経てインバウンド需要も伸びるなか、「日本の優れたお取り寄せ」は、日本国内だけではなく、海外にもお取り寄せニーズが広がっていくのではとチャンスを感じています。

そのため、お取り寄せ×越境ECのプロジェクトを2023年にスタート。第一弾となる、JR東日本・シンガポール最大手流通事業者「Angliss」社との取組みによるシンガポールでのライブコマースでは、2022年おとりよせネットで「ベストお取り寄せ大賞」を受賞した店舗の商品が配信開始６秒で売り切れるなど、大きな反響となりました。今後さらなる展開の拡大を行っていく予定です。

また、「お取り寄せ＝単に美味しいものを通販で購入する」という行為ではなく、ふるさと納税のように購入することで地域を支援したり、またSDGｓにつながる企業の応援消費をするなど、買い物自体がその作り手や売り手に対する共感や応援の意味でのお取り寄せの世界がさらに広がってくると感じており、ユーザーの方々が食品EC事業者さんのファンになるような仕組みなどを創っていけたらと思っています。