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広報PRに活かす!トレンド情報をリサーチする6つの方法&分析する3つの方法

広報PR担当者にとってトレンド情報をキャッチし、分析する習慣は欠かせないものとなっています。流行の移り変わりが早く、さまざまなメディアに情報が分散しているため、どのようにトレンド情報をキャッチし、活用すればいいかわからない方もいるでしょう。

本記事では、広報PR活動をするうえで知っておきたいトレンド情報の見つけ方や分析の仕方、情報の活用方法のポイントを紹介します。

トレンド情報6つの探し方・見つけ方

まずは、トレンド情報の探し方・見つけ方を6つ紹介します。

トレンドを把握できるツール・媒体はさまざまですが、それぞれ特性が異なるため、複数の情報源から調べたほうが確度が高くなります。加えて、2つ以上のツール・媒体を使うことで、同じトピックでも見出しやキーワードが異なるケースを知ることができ、情報を多面的に把握することにもつながるでしょう。

1.Googleトレンド

Googleトレンド

毎日の検索トレンドや急上昇しているキーワードを調べる場合、Googleトレンドが役に立ちます。最新ニュースに関連するキーワードや、季節ごとに注目を集めるキーワードがひと目でわかるため、今この瞬間のトレンドを調べたいときに便利です。

検索キーワードの期間や地域を指定したり、過去の同時期のトレンド比較をしたりすることも可能です。

2. Google検索でキーワードのサジェストを見る

Google検索では、入力される検索語句のサジェストが自動で表示されたり、検索後のトップ画面で「他の人はこちらも質問」というリストが表示されたりします。これらから、調べたいキーワードはどのような語句と一緒に検索されているのか(サジェスト)を知ることができます。Keyword Tool(一部有料)などを使う方法もありますが、まずは検索してみましょう。

Google検索でキーワードのサジェスト

検索エンジンに日々蓄積されるデータは、まさに世間のニーズを知ることができるヒント集。サジェストは、キーワードに対する一般的な価値観と、ユーザーがそれに関連してどのような疑問を抱いたのかを示しています。1ヵ月、1週間ごとなど同じキーワードを定点観測するのもよいでしょう。注意すべき点としては、アカウントの検索履歴やキャッシュ、地域などに合わせた内容が表示されていることです。パーソナライズされていない結果を得るには、検索をする前にキャッシュを削除したり、シークレットモードで検索したりしましょう。

3.Yahoo!広告の公式ラーニングポータル

Yahoo!広告の公式ラーニングポータルも便利です。こちらはYahoo!JAPANが広告主向けにトレンドを発信するポータルですが、季節ごとのマーケットトレンドや販促カレンダーなどの役立つ情報を閲覧できます。

動画コンテンツや図表が多いため、手が空いたときに気軽に情報収集できます。旬のトピックのみならず、マーケティングや広告規制などを学ぶのにも役立つWebサイトです。

4.SNS

生活者目線でトレンドを知りたい場合は、TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSで調べることもおすすめです。

SNSごとに、トレンドにあがる情報は異なります。例えばTwitterはトレンドキーワードやランキングの変動が激しく、リアルタイムで情報をキャッチするのに適しています。Instagramはビジュアル重視で、アカウントの傾向を読み取って表示するので、ジャンルに特化したトレンドを、ハッシュタグの検索などを通じて把握しやすいです。YouTubeは「急上昇」ランキングでいまたくさん再生されている話題の動画をジャンル別に閲覧できます。

SNSによってユーザーの属性や年齢層の傾向が異なるため、年代別のトレンド情報を知るきっかけにもなるでしょう。10代から60代のSNS利用率について、総務省の「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、以下のような結果でした(一部抜粋)。

   10代20代30代40代50代60代
Twitter67.478.657.944.834.314.1
Instagram72.378.657.150.338.713.4
Facebook13.535.345.741.431.019.9
YouTube97.297.796.893.282.567.0
Tik Tok62.446.523.518.815.28.7
単位:%

参考:総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

上の表では、SNSごとに、もっとも利用率が高い年齢層の部分を青くしています。Twitter、Instagram、YouTubeで利用率がもっとも高いのは20代で、Facebookは30代、Tik Tokは10代、といった傾向がわかります。地域や属性別に細かい分析をしたい場合は、Talkwalkerアナリティクスなどの専用分析ツールを使うことも検討しましょう。

5.Yahoo!ニュース

メディア視点のトレンドやニュース性の有無をつかむなら、Yahoo!ニュースを確認しましょう。国内外の話題からエンタメ、スポーツ、IT、科学など、さまざまなカテゴリのニュース速報を掲載しているのが特徴です。

ページ上部に表示されているトップの「主要」トピックス8本に目を通すだけでも、トレンド情報が手に入ります。そして運営がどのようなトピックスを「ニュース」と認識して上位表示しているか、傾向を知ることもできます。

さらにライブ動画の配信もあり、リアルタイムの情報を知りやすくなっています。また、メディア視点だけでなくYahoo!ニュースを利用しているユーザーによるコメントや投票機能からは、世論の動きもつかめるでしょう。

6.新聞、雑誌などの紙媒体

即時性は劣りますが、専門家やプロの書き手によってまとめられたトレンドを知りたい場合は、新聞や雑誌などの紙媒体が適しています。

Webメディアとの大きな違いは、印刷するまで何度もチェック工程があるため誤った情報が少ないことと、簡潔な文章、見開きでまとめるレイアウト。専門家などの深い知見を交えた企画が多く、情報を整理しやすいのも特徴です。トレンドの大まかな把握から、体系的な理解へと進みたいときには、紙媒体が役立ちます。

トレンドを分析する3つの方法

トレンドをキャッチした後は、なぜそれらがトレンドになっているのかを分析することが重要です。

トレンドには基本的に理由が存在します。収集したトレンド情報を分析することで、次のトレンドを予測し先手を打つこともできるでしょう。

ここでは、基本的なトレンド分析方法を3つ紹介します。

1.年間のトレンドを分析する

毎年トレンドに上がる事象は、過去の傾向を見てトレンドになる時期を予測することが可能です。

年間の注目キーワードを分析するには、期間指定のできるGoogleトレンドを使うのがおすすめです。特定のキーワードを入力し1年間の動きを分析するほか、Google側でまとめた年間の急上昇ワードを見ることもできます。映画や人物、「◯◯とは」などジャンルごとのトレンドワードがわかります。

2.四季のトレンドを分析する

年間のトレンドの動きを把握した後は、季節ごとに決まったトレンドがないか、分析してみましょう。都道府県によって四季の移り変わりやトレンドは異なるため、地域・エリア別の分析もある程度、有効になってきます。

四季トレンドの調査にも、基本的にGoogleトレンドの活用がおすすめです。期間を1ヵ月ごとに括り、調べたいカテゴリを指定して調べると、その期間に急上昇したキーワードを抽出することができます。バレンタインやクリスマス、節分など、イベントがいつから注目され始めたかもわかるので、関連情報を出すタイミングを計る際にも使いたい方法です。

3.年齢・属性ごとのトレンドを分析する

トレンドにあがる事象は、年齢や年代ごとによっても異なります。

年齢や属性ごとのトレンドを分析するには、省庁が発表する統計や企業・団体の調査リリースが適しています。省庁の統計は年収、世帯人数など既存の概念についてのものが多いですが、調査リリースでは、カテゴリの切り口そのものが流行を意識していたり、サービスに関連したものだったりすることが多く、リアルなトレンドがつかみやすいです。

例えば、株式会社N.D.PromotionはZ世代の女性を対象とした2022年下半期トレンド調査を行い、言葉や飲食などにまつわる調査リリースを発表しました。言葉の1位にランクインしたのは「それな」、飲食のジャンルでは「スターバックス」でした。「ネクストトレンド予想」も同時に行っており、こうした情報から今後のトレンド予測を立てることも可能です。

参考:『Z世代が選ぶ2022年下半期トレンドランキング』をZ総研が発表!

トレンド情報を活用した5つの広報PR施策

広報PRにおいては、トレンド情報をただ収集するだけでなく、自社のPR活動に活用していくまでが仕事です。特に、自社の商品やサービスに関連するトレンド情報は、業務内で活用できることが多いものです。

最後に、トレンド情報を広報PR活動に活用する5つの施策をご紹介します。

リサーチ

1.社内報を作成する

まず1つ目は、社内報の作成です。

社内報とは、従業員と情報共有し、自社についてより深く理解・共感してもらうために発行される媒体です。従業員が興味を持って社内報を読むための施策として、トレンド情報と絡めた内容で発行することがあげられます。

社内の出来事と、その背景にあるトレンドとの関連を掲載するのに加え、世間のトレンド情報を紹介してみると、意義深い社内報となるでしょう。企業ごとに情報の活用術があります。

2.プレスリリースに盛り込む

2つ目は、プレスリリースへの活用です。

トレンドになっているキーワードをプレスリリースに盛り込むだけでも、そのキーワードで検索にヒットしやすくなり、関連したプレスリリースを探している記者に届く確率が上がるでしょう。

参考:トレンドキーワードを徹底的に活用!作成から配信までのSTEP解説

また、トレンドの背景を調査した内容とともにプレスリリースを配信したり、調査リリースとして発信することも考えられます。

例えば、SNSやメディアでトレンドになっている事象や、キーワードを調べて得た情報を基に、流行を裏付けるデータを集計。調査内容をプレスリリースにプラスすることで、内容の説得力が増します。

商品やサービスをリリースすることになった背景を示す調査データがあることで、メディアがトレンドとともに取り上げやすくなるのです。

3.トレンドをフックにメディアへ連絡する

3つ目は、トレンド情報をフックにした、メディアとのリレーションです。

自社のプレスリリースをメディアに取り上げてもらいたい場合、情報がマッチしそうなメディアを選定し、直接連絡をすることも多いと思います。その際に、プレスリリースの内容に関連するトレンド情報をフックに使いましょう。

メディアは新規性やトレンド性、意外性のある情報を重視する傾向にあります。新規性や独自性の要素が薄い場合は、トレンド性を強調するとメディアに興味を持ってもらいやすくなります。

4.自社SNSでトレンドに関連する投稿をする

4つ目は、自社SNSで投稿のネタにすることです。

広報PR担当者の業務のひとつに、自社SNSの運用があります。フォロワーを増やすひとつの手段として、トレンドに関連した投稿をする方法があります。Twitterではトレンド情報をチェックしているユーザーが多いので、ハッシュタグをつけて投稿することで、一時的ではありますが多くの人の目にとまる機会を得られます。

5.勉強会、意見交換会などのイベントを行う

5つ目は、イベントの企画・運営の軸として活かすことです。

例えば、業界内のトレンドと自社のサービス内容に関わりがある場合、自社のノウハウを社外の人に伝える勉強会、意見交換会などのイベントを行いやすくなります。また、業界の第一線で活躍する人に登壇してもらう際にも依頼しやすくなるでしょう。

業界トレンドをフックにして、今までつながりを持てなかった他業界の方と交流する機会を増やせます。

収集したトレンド情報をどのように業務に活かせるかを常に考える

日々移り変わるトレンド情報を収集することは大変で、それだけで多くの時間を費やしてしまいがちです。ただし、重要なのは「トレンドを知る」ことではなく「トレンドを広報PR活動に活かす」ことです。

たくさんトレンドを収集しても、ただ収集して終わりにしてしまうと意味がありません。収集した情報の中から自社の広報PR活動に活かせるものはないか、常に考える習慣を身につけることを意識しましょう。

情報が偏らないよう、本記事で紹介したような複数の方法で収集することを習慣化して、トレンドを活用した広報PRの一手を打ってみてはいかがでしょうか。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

広報活動に活かせるトレンド情報をリサーチする方法に関するQ&A

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この記事のライター

佐藤 杏樹

佐藤 杏樹

フリーのライター・編集者。PR TIMESに新卒入社しメディア事業部にてコンテンツ編集者・SNS運用・イベントなど担当。現在も執筆業に携わりながら広報・PRの仕事もしています。広報実務を通して得た知見や実践しやすい広報ノウハウ、最初に知っておきたい広報の基礎など、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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